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    2021-2022秋冬 東京コレクション
東京から世界へ。42ブランドの最新コレクションを紹介
新型コロナウィルスの脅威が冷めやらない2021年3月15日?20日、感染対策を徹底して行われたRakuten Fashion Week TOKYO 2021 A/W (以下、RFWT)」。メインイベントである2021-22秋冬 東京コレクションには6日間で49ブランドが参加。そのうち初参加は14ブランドを数えた。前シーズンに引き続き、デジタルとフィジカルの両輪で発表されたコレクションは、デジタル (30ブランド)がリアルのランウェイショー(18)を大幅に上回る結果となった。しかし、海外のファッションウィークが100%デジタルでの発表になる中で、これだけのフィジカルショーを開催できたのは感染対策意識の高い日本ならではと言えるだろう。番組では「ADELLY (アデリー)」「CHONO (チョノ)」「el conductorH(コンダクター)」「HxCx takashi ito (エイチシー・タカシイトウ)」「KA WA KEY (カワキィ)」「MIKAGE SHIN (ミカゲシン)」「naokitomizuka (ナオキトミヅカ)」「SEVESKIG (セヴシグ)」「9M (ナインエム)」ら初参加組と、RFWT以外の枠組でコレクションを発表したブランド、ウェブ上でルックを披露したブランドを加えた42ブランドを一挙紹介する。

最も注目したいのは5年ぶりに東京で凱旋ショーを開催した「ATSUSHI NAKASHIMA (アツシナカシマ)」。今シーズンのテーマ は”楚水”。生涯、日本画家として情熱を注いだ曾祖父”楚水”の絵画を現代に蘇らせ、洋服をキャンバス見立ててファッションに落とし込んだ。墨絵の中に眠る多彩な色彩を配したトレンチコートやMA-1、虎と月をオレンジからピンクのグラデーションにのせたワンピース、デニムの上からレーザー加工を施し、虎柄を浮かび上がらせたセットアップなど、楚水の日本画がワードローブに躍動感を与えていく。また、着物とフリルいっぱいのワンピースをドッキングさせたドレスや、着物とライダースをドッキングさせたルックなど、複数のアイテムを複雑に接ぎ合わせたスタイルも秀逸だ。

韓国人デザイナー、チャヌが手がけるユニセックス・モード・ストリートブランド「ACUOD by CHANU (アクオド・バイ・チャヌ)」は伊勢丹新宿本店の駐車場の屋上でランウェイショーを開催。テーマは2021春夏コレクションに続き、新約聖書から抜粋した言葉“Then you will know the truth, and the truth will set you free”。「コロナ禍においても自由の大切さを伝えたかった」と語るチャヌは自由のために戦い続けた戦士を描くスコットランドが舞台の映画「ブレイブハート」からインスピレーションを得て、剣と盾を持った騎士のルックや民族衣装キルト、皮袋を思わせるバッグを提案した。スタイルの随所に登場するタータンチェックは世界最大手のタータンチェックメーカー「ロキャロン・オブ・スコットランド」とのコラボ レーション。西山茉希や明日花キララらがモデルとして参加したことでも話題を呼んだ。

ATSUSHI NAKASHIMA

ACUOD by CHANU