フィジカル+デジタル、進化を遂げた東コレに期待
日本発の最新ファッションを国内外に向けて発信する2021春夏 東京コレクションが2020年10月12?17日、6日間にわたって行われた。前シーズンは新型コロナウイルス感染症の感染拡大により中止されたため、1年ぶりの開催となった。Rakuten Fashion Week TOKYO(楽天ファッション・ウィーク東京、RFWT)の会期中に参加したのは39ブランド。このうち初参加は19ブランドを数えた。フィジカルショーおよびインスタレーション形式で作品を披露したのは14ブランド、オンライン形式を選択したのは25ブランドで、オンラインが大きくリードした。各ブランドはRFWT公式サイト内でライブ配信したほか、SNSやブランド公式サイトを通じてコレクションを披露。コロナ下の困難を乗り越え、ランウェイショーだけでは伝えきれないブランドイメージをデジタル技術により瞬時に全世界に配信できるという、デジタル化の大きな一歩を踏み出した。
今シーズンは、パリを拠点に活動する「RYNSHU(リンシュウ)」が 東京コレクションで作品を披露。また、「doublet(ダブレット)」「FACETASM(ファセッタズム)」は、冠スポンサーの楽天によるブランド支援プロジェクト「by R(バイアール)」枠でコレクションを発表。ファッション通販サイト「Rakuten Fashion」や「by R」の公式インスタグラムにおいてショーの映像を配信するなど、注目が集まった。
井野将之が手掛ける「doublet(ダブレット)」は、クロシェ編みのオールインワンを身にまとったテディベアがプレゼントを贈って回り、みんなを幸せにするという、ファンタジックなプレゼンテーションムービーを公開。テーマは”A very merry unbirthday for you(なんでもない日、おめでとう)”。テディベアやケーキといったキュートなモチーフをプリントしたシャツやパンツや、ハートのモチーフをアップリケしたストライプシャツとワイドパンツのコーディネート、Tシャツとシアーな素材を重ねたドレスなど、遊び心のあるスタイルを並べた。
1991年以来、パリでコレクションを発表してきた「RYNSHU(リンシュウ)」(デザイナー:山地正倫周)は29年ぶりに東京で凱旋ショーを開催。八芳園を会場に、メンズとウィメンズ合わせて40ルックを披露した。テーマは”服を纏うことを極める”。日本人デザイナーとしての原点に立ち返ったという今季は、ビジューやテープ刺繍をあしらったテーラードスーツや、ブラックスワロフスキーをちりばめたオールブラックのセットアップ、ミステリアスな輝きを放つパイソン柄のジップアップジャケットとパンツのコーディネートなど、センシャルなワードローブを揃えた。メンズとウィメンズで対を成すジェンダーレスなデザインがポイントだ。
RYNSHU
doublet