あらゆるカルチャーをミックスしてフェミニンに落とし込む
東京の最新ファッションを世界に発信する「アマゾン ファッション ウィーク東京」が10月16日〜21日の6日間にわたり開催された。参加ブランドは55。そのうち海外から9ブランド、初参加は21ブランドを数えた。アマゾンファッションが冠スポンサーになって3シーズン目を迎えた今回は、アジアから香港、フィリピン、インドネシア、マレーシアのデザイナーが参加したほか、バンクーバー ファッション ウィーク」主催による合同ショー「グローバル・ファッション・コレクティブ」を開催するなど、国際色豊かなランウェイショーが披露された。
発信されたトレンドは、“ミリタリー”“アウトドア”“ランジェリー”“キモノ”“浮世絵”といった異なる時代背景やカルチャーをミックスしたスタイル。先に発表された欧州コレクションの流れを受けて、ギャザーやシャーリング、レース使いで甘さを演出する一方、メタリック素材やネオンカラーで輝きをプラスする。また、ストライプ、ボーダー、ドット、ゼブラ、ボタニカルといったプリントを一つのアイテムに複数掛け合わせて使用するのも今シーズンの特徴だ。襟や袖、パンツの裾にボリュームを与えたデフォルメスタイルにも注目したい。
注目ブランドは2017年、第35回 毎日ファッション大賞を受賞した「HYKE(ハイク)」(デザイナー:吉原秀明・大出由紀子)。“ミリタリー”と“アウトドア”という2つのマニッシュな要素をギャザー、プリーツ、曲線使いでフェミニンにアレンジした。ミリタリーテイストのコートやジャケットは着丈をアンダーバストのラインまで短くし、ロングプリーツスカートとコーディネート。アウトドアブランド「THE NORTH FACE(ザ・ノースフェイス)」とコラボしたロングフーディやスウェットシャツも登場し、モード服をストリートに寄せている。
坂部三樹郎、シュエ・ジェンファンがデザインする「MIKIO SKABE(ミキオサカべ)」は花魁を想起させるぽっくりや束髪、キモノ、女子高生、カワイイカルチャーといった幅広い時代背景のジャポニズムをミックス。袖を極端に幅広にしたミニキモノや、襟と袖口を大きく膨らませたブラウスにロングベストとプリーツスカートを合わせた制服風スタイルなど、アイテムのパーツがデフォルメされている。さらに東京オリンピックを思わせるバッグやシューズが加わり、一つのルックにあらゆる要素が混在している。
HYKE
NIKIO SAKABE