アジアのトレンド発信拠点に
アジアから世界へ。今年3月に行われた「メルセデス・ベンツ ファッション・ウィーク東京(以下、MBFWT)」は、海外から過去最多となる8ブランドが参加し、東京=アジアのファッション拠点という立ち位置を明確に印象づけるシーズンとなった。韓国人デザイナー、ジェイ・キムが手がける「fleamadonna(フリーマドンナ)」がMBFWT枠内ではじめてショーを開催したほか、インドネシアから「Major
Minor(メジャー・マイナー)」「Nur Zahra(ヌール・ザーラ)」、タイからは「Sretsis(スレトシス)」が参加するなど、回を重ねるごとに国際色豊かになっている。番組ではMBFWTの枠内でショーを開催したブランド、独自にコレクションを披露したブランドを合わせて43ブランドを紹介する。
森永邦彦がデザインする「ANREALAGE(アンリアレイジ)」は“SEASON”をテーマに、気温や体温の変化をデザインに落とし込んだ。サーモグラフィーを通じて体温の状態を見た時のような、暖色系〜寒色系のカラーリングでショーを構成。ほぼすべてのアイテムの素材として、衣服内の温度を常に32度に保つことができる温度調節素材「アウトラスト」が採用された。雪の結晶を思わせるニットや、真っ赤に染めたファーに穴をあけ水玉模様を浮き上がらせたコートなど、季節の移り変わりを視覚で感じるコレクションを展開した。
ザ・ビートルズの“ルーフトップ・コンサート”からインスピレーションを得て、当時のブリティッシュ・スタイルをモダンにアレンジしたのは熊切秀典率いる「beautiful people(ビューティフル・ピープル)」。ビートルズ全盛期の1960年代の衣装を彷彿とさせるセットアップスーツやバイカールックを、ブランドならではのベーシックなデザインとして提案した。デザイナーおよびスタッフが演奏するビートルズメドレーにも注目。
落合宏理が展開する「FACETASM(ファセッタズム)」は重厚感のある素材にプリーツを重ね、過剰なまでのレイヤードでスタイルを形成。テーマは「When
We Meet In Our Dreams」。ジャケット on コートを多用したアウターや、胸元にプリーツを重ねたタートルネックセーター、互い違いのプリーツを幾重にも重ねたパンツなど、複雑な切り返しで重圧感を表現した
。
ANREALAGE
FACETASM