東京、NY、パリのワーキング・スタイルを比較
ファッション業界に最も勢いのあった1980年代、世界各地のトップデザイナーたちはセールスターゲットとして、ワーキング・ウーマンを想定していた。東京、ニューヨーク、パリ3都市のビジネス街から、通勤途中のワーキング・ウーマンたちのファッションをピックアップし、そのおしゃれ感覚を探った。東京では新宿副都心、ニューヨークはマンハッタンのオフィス街、パリではラ・デファンス地区をインタビュー場所として選択。活躍の場を求めて、生き生きと働く女性たちのスタイルに迫った。
Tokyo:肩パット入りのかっちりとしたジャケットに膝上のタイトスカート、オープンカラーシャツのコーディネートが主流。スーツはセットアップではなく、上下で色が違うケースが多い。トレンドカラーは鮮やかなグリーン、オレンジ、白x紺のコンビ。シューズはポインテッドトゥパンプスが目立つ。髪型は当時一世を風味したダブル浅野風。洋服代として月に3〜5万円消費するという。
N.Y.:肩パット入りのテーラードジャケットかニットに、ミモレ丈〜ロング丈の長めのタイトスカートを合わせる。セットアップスーツの場合は、ジャケットの裾がぺプラム風にひらひらと広がっているデザインが人気。足元は東京と同様、ポインテッドトゥパンプスのほか、歩きやすいスニーカーがも見られる。中にはカジュアルな服装で通勤し、大きなバッグにスーツを入れて持ち歩く人も。カラーは鮮やかなブルー、イエロー、パープル、グリーン、レッドが優勢。アクセサリーは大きめのサングラスやパールネックレスがトレンド。
Paris:パリジェンヌのスーツはニューヨークと似ているが、かっちりとしたスーツよりも着心地の良さそうな薄手の柔らかい素材のものを好む傾向にある。それでも肩パットは必須。カラーもまた、よりソフトな色彩が多く見られ、ホワイトやベージュ、ブラウン、ブラックxホワイトのバイカラーが好まれている。ブラックをメインに据えた着こなしはパリのみに見られる特徴。
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