90年代スタイルの復活に沸いた2020年。しかし、実際に90年代に撮影された映像と比べてみると、人々の服装はもちろん、ヘアスタイルやメイク、アクセサリー小物にいたるまで、あらゆる点で異なっていることがわかる。

1997年4月の注目アイテムはダブルブレストジャケットとフレアパンツのセットアップスタイル、アンサンブルニット、7cm以上の厚底シューズ。シャツの襟はオープンカラーが大半を占め、開放的な雰囲気を演出している。近年の極端なオーバーサイズとまではいかないが、全体的にゆったりめのシルエットが目立つ。パンツは現在トレンドとなっているフレアパンツと大差なく、股上が深く裾広がりの、当時でいうブーツカットのシルエットが多い。スリットが深く入ったマキシ丈タイトスカートもまた、時代をまたいでの共通したトレンドアイテム。90年代はそれに加えて、パンツの上から重ねて着るミニ丈のチュニック、ボーダーニットのヒッピー風パンツが人気を博していたようだ。

カラーは黒を中心としたダークトーンが多いものの、春を感じさせるエメラルドグリーンを取り入れたコーディネートが目立つ。エメラルドグリーンはアンサンブルニットやアルマーニ風のソフトなスーツなど、多様なアイテムに度々登場する。

アクセサリーにおいては、前述の厚底シューズと首に巻いたスカーフに注目したい。厚底シューズはブーツからローファー、サンダルまで、形は様々だがヒールが極太なのが特徴。スニーカーでさえ、ヒールの高いものが重用されている。スカーフはフライトアテンダントをまねたような上品な巻き方で、ダークな色彩のコーディネートを華やかに彩っている。そのほか、2021春夏 トレンドにも浮上していたベロアやメタリック、エナメルといったギラギラした素材使いも見逃せない。

[ 観測日 ] 1997年4月8 ・17日・晴れ
[ 場所 ] 東京・表参道・ハナエモリビル前

表参道

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