ジェンダーフリュイドの流れが進化を遂げている。2024-2025秋冬シーズンはメンズの普遍的なアイテムに、ウィメンズウエアに見られるやさしいカラーや装飾、柔和な仕立てを加えることで、メンズウェアとウィメンズウェアをシームレスにリンクさせる動きが見られた。クワイエット・ラグジュアリーのムードを残しながら、英国調やカウボーイ、マリンをイメージさせるルックや、正反対のアイテムを組み合わせた意外性のあるレイヤリングなど、タイムレスなスタイルが提案された。
ミラノメンズに続いて行なわれたパリメンズでは、1月16日〜21日の6日間で73ブランドがコレクションを発表。日本からは「DOUBLET (ダブレット)」「MAISON MIHARA YASUHIRO (メゾン・ミハラヤスヒロ)」「Yohji Yamamoto POUR HOMME (ヨウジヤマモト・プール・オム)」など、15ブランドが参加した。注目ブランドは“バレエコア”でメンズウェアを再定義した「DIOR (ディオール)」。クリエイティブ・ディレクターのKim Jones (キム・ジョーンズ) は、メゾン創設者Christian Dior (クリスチャン・ディオール) と20 世紀を代表するバレエダンサーMargot Fonteyn (マーゴ・フォンテイン) の関係性から着想を得て、男性的な解釈で再解釈した「ドビュッシー」
ドレスを仕立てた。ムッシュ・ディオールの「バー」ジャケットは男性的なスタイルへと進化。バレエシューズやレオタードを思わせるトップス、シアータイツなど、バレエ・コスチュームの要素がふんだんに盛り込まれている。