2023-2024秋冬 パリメンズコレクションが1月17日〜1月22日、ミラノメンズに続いて開催された。参加ブランドは6日間で78を数え、うち48ブランドがフィジカルショーを披露。海外のジャーナリストやバイヤー、セレブリティがパリに集結し、本格始動を果たした。
日本からは公式スケジュールのオープニングを飾った「KIDILL(キディル)」をはじめ、「YOHJI YAKAMOTO POUR HOMME (ヨウジヤマモト・プールオム)」「KOLOR (カラー)」ら16ブランドが参加。また、昨年「TOKYO FASHION AWARD 2023」を受賞した「IRENISA (イレニサ)」「KHOKI (コッキ)」「TANAKA (タナカ)」「TENDER PERSON (テンダーパーソン)」の4ブランドか開催期間中、マレ地区に展示ブース"showroom.tokyo in Paris"を設けて作品を発表するなど、日本ブランドが大きな存在感を示している。
注目トレンドは、ブランドの本質に立ち戻った原点回帰のフォーマルルック。デニムを交えたイージーフィットのテーラリングから一歩前進、ストリート寄りのものから、さらなるエレガンスを追求したものまで、細分化を見せている。中でもブランドの本質を捉えたクラシカルなテーラードスーツ、リラクシングな脱構築スーツが目立った。デザイナーたちの80年代への関心は今シーズンも健在。グランジはクラッシュデニム伴って復活、ビッグカラーのジャケットや開襟シャツなどにも80年代ムードが漂う。また、性別や体形を選ばないインクルーシブスタイルを意識して、メンズスカートを提案するブランドも見られた。
キム・ジョーンズが手がける「DIOR (ディオール)」は、弱冠21歳でムッシュ・ディオールの後継者となりメゾンの若返りを図ったイブ・サンローランと、イギリスの詩人/劇作家のT・S・エリオットによる長編詩「荒地」からインスパイアされたスタイルを披露。テーマは”再生と若返り”。マスキュリンとフェミニン、英国テーラリングとオートクチュールといった相反する要素を融合させてモダンに落とし込んだ。かつてイブ・サンローランが手がけたアカシアのウールジャケットや、セーラートップのアンサンブルをメンズアイテムとしてアップデート。ハーフパンツやキルトスカートといったジェンダーレスなアイテムも登場した。