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    2020-2021秋冬 パリメンズコレクション
ドレッシーなメンズフォーマルが台頭

世界各地で猛威をふるう新型コロナウイルスは、コレクション業界に少なからず影響を及ぼしている。中国発信のブランドが参加を取りやめたのをはじめ、中国人バイヤーやメディア関係者、モデルらが渡航を自粛したことで、ファッション業界の勢力図が変化。今後のファッションビジネスの懸念材料となっている。

日本人デザイナーが展開するブランドの勢いが止まらない。「DOUBLET(ダブレット)」と「TAAKK(ターク)」が初参加したほか、「RYNSHU(リンシュウ)」「SACAI(サカイ)」「UNDERCOVER(アンダーカバー)」「WHITE MOUNTAINEERING(ホワイトマウンテニアリング)」「YOSHIO KUBO(ヨシオ・クボ)」など、日本から世界に羽ばたいたブランドが名を連ね、中国の勢いに押され気味だったコレクション業界の中で巻き返しを図っている 。

注目トレンドはテーラードをベースとしたフォーマルウェア。オーバーサイズのストリートスタイルに代わって、ソフトなフランネル素材で仕立てたセットアップスーツやテーラードコート、ボウタイブラウスなど、正統派のメンズアイテムが台頭した。着心地の良さを追求したシルエットは、細身ではあるが、適度なリラックス感が漂う。ピンと上を向いたピークドラペルやダブルブレストといったシャープなシルエットに、ロンググローブ、フリル、ミニバッグ、パールやゴールドのネックレスなどをプラスし、ドレスアップされているのが特徴だ。

圧倒的な存在感を放っていたのは「DIOR(ディオール)」。アーティスティック ディレクターKim Jones(キム・ジョーンズ)が展開したのは一昨年に急逝したイギリスのスタイリスト兼アクセサリーデザイナーJudy Blame(ジュディ・ブレイム)にオマージュを捧げるコレクション。端正なテーラードスーツにはビーズ刺繍やジッパー、チェーン、安全ピン、ブローチなどのアクセサリーパーツが飾られ、ジュディーの愛したワードローブへと昇華させている。ジャケットやコートの袖はたくし上げられ、ビジューやパールで飾ったオペラグローブを見せつける。「DIOR」のオートクチュールコレクションを彷彿とさせるモアレシルク、エンブロイダリー、アラベスクやペイズリーモチーフで一段上のラグジュアリー感を演出している。


DIOR

BERLUTI