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    2014-2015秋冬 パリ オートクチュールコレクション
高級服にとどまらない幅広いラインナップで活気を取り戻す
 絢爛豪華なイヴニングドレスからプレタポルテ寄りのリアルクローズを提案する傾向が一段と強まっている。2014-2015秋冬シーズンはクチュリエたちの職人技が光る18〜19世紀のクラシカルなスタイルが披露される一方で、ハイテク素材で仕立てられたスポーティールックが登場するなど、高級注文服にとどまらない幅広いラインナップが並んだ。

 2014年7月6日〜11日の6日間の会期中、コレクションを提案したのは26の公式メゾン。そこにハイジュエラーの展示会やプレタブランドによるプレ・コレクション、若手デザイナーによるランウェイショーが加わり、これらを合わせると参加ブランドは50にのぼる。パリオートクチュールは長い低迷期間を経て、ようやく活気を取り戻したようだ。

 ラフ・シモンズが手がける「クリスチャン・ディオール(CHRISTIAN DIOR)」は、ロダン美術館の中庭に設けられた宇宙船を見立てた円柱形の空間でコレクションを披露。時空を超えて時間旅行するように、過去と未来を融合させた8通りのスタイルを発表した。18世紀の伝統的なドレスをアレンジした「フランス風ドレス」、21世紀に思いを馳せパイロットスーツとドレスをミックスした「フランス風フライト」、エドワード7世からインスピレーションを得た「1910リネエール」など、まるでヨーロッパのファッション史を垣間見ているような展開に、観客から感嘆の声が上がった。

 ラファエル前派の絵画に登場する女性たちをモチーフにコレクションを展開したのは「ヴァレンティノ・オートクチュール(VALENTINO HAUTE COUTURE)」。19世紀末の中世ヨーロッパの古典的なドレスや、ギリシャ神話に登場するようなドレープたっぷりのドレスなど、女性美を最大限に引き出すエレガントスタイルを提案した。黒や白のリボンをウエストにゆったりと巻いたスタイルはラファエル前派の装いの特徴のひとつだ。注目アイテムは純白のドレスの上から黒糸で草木模様を刺繍した修道女風ドレス。

CHRISTIAN DIOR

VALENTINO HAUTE COUTURE