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    2016-2017秋冬 パリ オートクチュールコレクション
若手ブランドの参入でクチュール界に変革の波
2016-2017秋冬シーズンの最後を飾るパリオートクチュールコレクションが2016年7月3日〜7日の5日間にわたって開催された。公式参加は27ブランド、うち初参加は5ブランドを占める。熟練のクチュリエたちが大御所ブランドの装飾美を支える一方で、新規参入ブランドがハイテク素材を駆使した近未来ドレスや、リアルクローズに大きく傾倒したスタイルを発表…長きにわたり高級仕立服を提案してきたパリオートクチュールは転換期を迎えている。

Maria Grazia Chiuri(マリア・グラツィア・キウリ)とPierpaolo Piccioli(ピエールパオロ・ピッチョーリ)が手掛ける「VALENTINO COUTURE(ヴァレンティノ・クチュール)」は、没後400年を迎えたシェイクスピアの作品から着想を得て、緻密な襞襟や大きく波打つ立襟を効かせたクラシックドレスを披露。股上の深いパンツをブーツインしたマニッシュなスタイルは中世ヨーロッパの男性服を彷彿とさせる。黒x白のバイカラー、要所に差し込まれるヴァレンティノ・レッドが荘厳な雰囲気を一層強調させている。なお、キウリは来季から「CHRISTIAN DIOR(クリスチャン・ディオール)」のデザイナーに就任する。

公式ゲストとして初参加した「YUIMA NAMAZATO(ユイマ・ナカザト)」(デザイナー:中里唯馬)。日本人デザイナーとしては森英恵以来、12年ぶりの快挙となった。コレクションテーマは「UNKNOW(未知なるもの)」。中里が昨年訪れたアイスランドの氷、空、海、オーロラといった自然現象をスタイルに落とし込んだ。“ホログラム”と呼ばれる特殊フィルムを用いて完成させたドレスは、光の加減で七色に変化し、フューチャリスティックな雰囲気を漂わせている。

VALENTINO HAUTE COUTURE

YUIMA NAKAZATO