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    2013春夏 パリ オートクチュールコレクション
花に魅せられたデザイナー達の競演
 2013春夏シーズンの最後を飾るパリ オートクチュールコレクションが2013年1月21日〜24日、例年より一日長い4日間の日程で開催された。参加メゾンは非公式を含めて約40。庭園に咲く花に魅せられたデザイナー達は手の込んだ刺繍やアップリケ、レースをあしらい、花に見立てたドレスを披露。アルチザンによる緻密な造形美が光るシーズンとなった。

 マリア・グラツィア・キウリとピエール・パオロ・ピッチョーリが手掛ける「ヴァレンティノ・オートクチュール(VALENTINO HAUTE COUTURE)」は“Secret Garden”をテーマに、中世ヨーロッパの庭園を思わせるクラシックドレスを披露した。ワイルドローズ、ラベンダー、ブルーベリー、ホワイトリリー、ジャスミン、ダリアなど、庭園に咲く色とりどりの花をモチーフとして採用。小鳥がさえずる朝から太陽の沈む夕方までの時間の経過を刺繍&レースいっぱいのドレスで表現した。チュールドレスの上に飾ったパイピング刺繍は庭園につながる鉄格子の門を象ったもの。また、上質ウールで仕立てられたケープドレスはハイビスカスやホワイトライラック色に染められ、荘厳な雰囲気を漂わせている。

 ラフ・シモンズがデザイナーに就任して2シーズン目となる「クリスチャン・ディオール(CHRISTIAN DIOR)」は、冬から春へと季節が移り変わるさまをロマンティックなドレスで表現した。テーマは“The Garden”。「ヴァレンティノ」と同様、花に焦点を当ててはいるが、その表情は大きく異なる。「ヴァレンティノ」がフラワー刺繍をドレス全面にあしらっているのに対し、「クリスチャン・ディオール」はポイント使いが多い。フォルムはベアトップやアリンメトリー、腰回りやバックにドレープでボリュームを出すなど、より躍動的に仕立てられている。注目は3枚のチュールに、花びらのアップリケや刺繍など、それぞれ異なる技巧をほどこしたミルフィーユドレス。

VALENTINO HAUTE COUTURE

CHRISTIAN DIOR