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    2016-2017秋冬 パリコレクション
'70〜'90年代カルチャーがトレンドに昇華
1970年代のグラムロックに1980年代のパンク、1990年代のグランジ。2016-2017秋冬シーズン、パリのデザイナーたちが挑んだのは1970〜1990年代のアートやミュージックシーンから抽出したテイストをミックスし、一つのアイテムに落とし込む試みだ。素材から色、柄、フォルムまで、あらゆるテイストが取り込まれるため、装飾過多と感じられるデコラティブなスタイルが提案されている。フォルムは細く長いストラップやテープを垂らしたり、ドロップショルダーにしたり、ウエストを絞ることで変化を与えたものが多い。テーマとなるキーワードを刺繍やアップリケとして飾ったメッセージ性のあるスタイルも目立つ。注目アイテムはオーバーサイズのコートにボマージャケット、バイカージャケット、フルレングスのワイドパンツ、襟や袖が長めにデフォルメされた白シャツなど。

Jonathan Anderson(ジョナサン・アンダーソン)が「LOEWE(ロエベ)」のクリエイティブ・ディレクターに就任して4シーズン目。提案されたのはハンカチーフヘムのしなやかなロングスカートにレザーのビスチェを組み合わせ、洗練された大人の女性のスタイルだ。ブランドを象徴するレザー使いは胸元のパッチポケットや紐状に垂れ下がったストラップとしてポイント的に採用されている。今シーズンのトレンドモチーフとして浮上している“猫”のレザーネックレスにも注目。

John Galiano(ジョン・ガリアーノ)が手掛ける「MAISON MARGIELA(メゾン・マルジェラ)」は、ミリタリーウェアやAラインドレスといったオーセンティックなアイテムに異なる要素をミックスし、デコラティブなスタイルに仕上げた。ミリタリーのセットアップはジャケットの上から太ベルトを締め、スリーブレスのジャケットからフリル付きのブラウスやスカートがのぞく。“Rip and Reveal(リップ・アンド・レヴィール:切り裂いて中身を見せる)”の手法を取り入れているのも今シーズンの特徴。スクールガール風のプリーツスカートは斜めに切り裂かれたようにデザインされ、透け感のある素材があてがわれている。

LOEWE

MAISON MARGIELA