トレンドの要となるのは先シーズンに引き続き、1970年代スタイル。ヒッピー・ムードはますます高まり、毛足の長いファーやフリンジ、地面スレスレのワイドパンツが縦長のシルエットをボリュームアップさせている。1970年代を象徴するハイウエストのパンツやスカートは、太ベルトでウエストマークすることで力強さをアピール。同じく1970年代の雰囲気を漂わせるケープやポンチョは素材、丈ともにこれまで以上にバラエティ豊かになってトレンドアイテムに押し上げられている。
　ディテールにおいてはアシンメトリーなプリーツ&ラッフル使いに注目したい。これらは1970年代の自由奔放さを表現するかのように左右非対称に取り付けられており、細かく折りたたまれて大きなうねりを形成しているのが特徴だ。ビーズ、スパンコール、金糸、銀糸といったメタリック素材を駆使して、ギラギラした輝きを放っている点も見逃せない。
　ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson) がクリエイティブ・ディレクターに就任して2シーズン目となる「LOEWE(ロエベ)」は、薄くなめしたレザーにヘリンボーンやメタリック素材を組み合わせ、1980年代スタイルをモダンに進化させた。シルエットはゆったりボリューミー。襟ぐりと袖ぐりを大きく取ったレザージャケットにヘリンボーンのワイドパンツをコーディネートしたスタイルは、四角形や三角形、円形にカッティングした太ベルトを締めることでポップな印象に仕上げている。"サイエンス" にインスパイアされたというコレクションは、幾何学プリント、プリーツ加工をほどこしたメタリック素材で、フューチャリスティックな雰囲気を強調させている。
　「LANVIN(ランバン)」はデザイナー、アルベール・エルバス(Alber Elbaz) の生まれの故郷であるモロッコに思いを馳せ、民族的な香りが漂うエキゾチックなスタイルを提案した。豊かな自然の中に見え隠れするダークな一面。対を成す二つの側面を色彩や素材のコントラストで描き出す。パターンのつなぎ目やヘムに毛足の長いファーをトリミングしたり、縦横にフリンジを這わせて、シルエットをボリュームアップ。タッセルを飾ったケープコートやテーパードパンツ、ギャザーたっぷりのマキシワンピースなど、金糸・銀糸で民族柄を浮かび上がらせたパジャマ風セットアップなど、華やかな装飾を深みのあるダークカラーで落とし込んでいる。

LOEWE

LANVIN