ポジティブムード全開のリゾートルックが登場
2026春夏 パリコレクションが2025年9月29日~10月7日の9日間にわたって開催された。公式参加は110ブランド。そのうち、日本勢は12ブランドにのぼった。ブランドの刷新を図るべく、デザイナー交代が活発に行われたことで、これまで以上に活気が感じられるシーズンとなった。新デザイナーを迎えたブランドは、Matthieu Blaz (マチュー・ブレイジー)による「CHANEL (シャネル)」、Jonathan Anderson (ジョナサン・アンダーソン) による「DIOR (ディオール)」、Pierpaolo Piccioli (ピエールパオロ・ピッチョーリ) による「BALENCIAGA (バレンシアガ)」、Jack McCollough ( ジャック・マッコロー)とLazaro Hernandez ( ラザロ・ヘルナンデス)のデザイナーデュオによる「LOEWE (ロエベ)」、Michael Rider (マイケル・ライダー)による「CELINE (セリーヌ)」、Glenn Martens (グレン・マーティンス)による「MAISON MARGIELA (メゾン・マルジェラ)」など、大御所がズラリと名を連ね、パリブランドの本気度を垣間見せた。一方、パリにおける日本ブランドの立ち位置はますます強固に。ベテランの「YOHJI YAMAMOTO (ヨウジヤマモト)」「ISSEY MIYAKE (イッセイ・ミヤケ)」から、新進の「CFCL (シーエフシーエル)」「MAME
KUROGOUCH (マメ・クロゴウチ)」まで、新旧デザイナーたちがパリのランウェイに情熱を注ぎ込んだ。
デザイナーたちが提案したのは、混沌とした社会に終止符を打つような、ヴィヴィッドカラーのコンビネーションスタイル。鮮やかなピンクやオレンジ、イエロー、レッド、グリーンなど、明るくポジティブな色彩を複数組み合わせ、エネルギッシュなスタイルを形成している。また、サマードレスやスイムウェア、パレオ、ビーチサンダルといった夏の開放感を演出するリゾートウェアが提案されているのも特徴。開放的なムードは、レースで透け感を楽しむビスチェやブラトップなどのランジェリールックへと派生している。また、ブレザー、ポロ、プリーツスカートといったプレッピー・アイテムは、オーバーサイズにしたりローウエストにデザインすることで、モダンにアップデートされている。
新クリエイティブ・ディレクターにJack McCollough (ジャック・マッコロー)とLazaro Hernandez (ラザロ・ヘルナンデス)のデュオを迎えた「LOEWE (ロエベ)」は、ダイビングのウェットスーツを思わせるスポーティールックを提案した。グリーン、ブルー、イエロー、レッドの鮮やかな原色使いで、ミニマルなレザージャケットやドレスをデザイン。身体にバスタオルを巻きつけたようなチューブドレスには、PVCのサンダルをコーディネート。ポジティブなムード全開のワードローブを揃えた。
一方、「DIOR (ディオール)」は、Jonathan Anderson (ジョナサン・アンダーソン)による初のウィメンズコレクションを披露した。ブランドのヘリテージを読み解きながら、ジョナサンらしい大胆さと遊び心とを加えたスタイルを構築した。彫刻的なシルエットの"バー"ジャケットはデニムのミニスカートを合わせて、モダンにアップデート。シャープなシルエットが特徴のデイドレス"シガール"は透け感のあるレースをあしらい、センシャルに落とし込んだ。胸元やウエストラインにリボンモチーフを飾った愛らしいデザインもポイントだ。

LOEWE

DIOR