量感たっぷりのリラクシングルックが台頭
2025-2026秋冬 パリコレクションが2025年3月3日~ 3月11日の9日間にわたって開催された。参加ブランドは109 (前シーズンは106)。そのうち、日本勢は「ANREALAGE (アンリアレイジ)」「CFCL (シーエフシーエル)」「ISSEY MIYAKE (イッセイ・ミヤケ)」「MAME KUROGOUCHI (マメ・クロゴウチ)」など11ブ
ランドを数え、パリメンズ同様、ファッション界に強い影響力を発揮している。
毎シーズン、大きな話題を呼ぶデザイナー交代だが、今季は3ブランドに注目が集まった。Julian Klausner (ジュリアン・クロスナー) による新生「DRIES VAN NOTEN (ドリス・ヴァン・ノッテン)」、ミラノからパリへコレクション発表の場を移したHaider Ackermann (ハイダー・アッカーマン) 率いる「TOM FORD
(トム・フォード)」、そしてSarah Burton (サラ・バートン)による「GIVENCHY (ジバンシイ)」。それぞれ実力ある新デザイナーを迎えてブランドを刷新を図った。番組では「GLOBAL FASHION COLLECTIVE」枠でパリコレクションに参加したブランドを加えた、選りすぐりの27ブランドを紹介する。
2025-2026秋冬 キーアイテムは、1980年代を思い起こさせるパワーショルダーのテーラードジャケットやコート。オーバーサイズかつボクシーなシルエットで強く逞しい女性たちを優しく包み込む。量感たっぷりのケープやファーコート、ハードなレザーレザージャケットなど、温かみのあるアウターも多数提案された。インナーにはフリルやギャザー、ボウタイを飾ったブラウスや、バリエーション豊富なカーディガン、ワイドシルエットのスラックス、身体のラインに沿ったボディコンシャスなドレスやスカードなど、造形美を際立たせるアイテムが並んだ。そのどれもが性差の枠を超えて、クラシカルなムードを放っているのが特徴だ。
注目はHaider Ackermann が手がけた「TOM FORD」のデビューコレクション。ブランド創始者トム・フォードの官能的なムードを受け継ぎながら、ハードでマスキュリンなエレガントルックを提案した。ブラックを基調に、ナッパレザーのバイカールックやチェスターコート、リーンなシルクジャージーのロングドレスは、余分な装飾を削ぎ落とし、身体のラインに沿うミニマルな佇まい。強さとしなやかさを融合させたスタイルは、メンズとウィメンズの両方を兼ね備える。

TOM FORD

DRIES VAN NOTEN