スタンダートなアイテムで服の本質を探求
2023-2024秋冬 パリコレクションが2023年2月27日〜3月7日、ミラノコレクションに続いて開催された。参加ブランドは9日間で100を超え、ファッションの都としての存在感を強くアピールした。今季は「ANN DEMEULEMEESTER (アン・ドゥムルメステール)」「NINA RICCI (ニナリッチ)」「OFF-WHITE (オフ-ホワイト)」が新クリエイティブ・ディレクターを迎えて新たなスタートを切ったほか、「ALEXANDER McQUEEN (アレキサンダー・マックイーン)」「PACO RABANNE (パコ・ラバンヌ)」が公式スケジュールに復帰するなど、話題満載のシーズンとなった。日本からは「CFCL (シーエフシーエル)」「ISSEY MIYAKE (イッセイ・ミヤケ)」「MAME KUROGOUCHI (マメ・クロゴウチ)」「UJOH (ウジョー)」「UNDERCOVER (アンダーカバー)」ら11ヴランドが参加。日本発信ならではの独創性のあるデザインで、観客を魅了した。
パリ・デザイナーたちは今季、服の本質に立ち返り、スタンダードなアイテムをいかに美しく見せるかに着目。マスキュリンなテーラードジャケットやトレンチコート、ツインニット、クラシカルなビスチェドレスといったベーシックなアイテムを一度解体し、刺繍やビーズ、スパンコール飾り、チェーン、アップリケなどの装飾を加えて、新たな美しさを探求した。ブランドのアイデンティティに深掘りし、原点回帰に向かうデザイナーも見られた。また、マスキュリンとフェミニン、カジュアルとエレガンス、重厚感と軽快感といった相反する要素をスタイルに投影するも見られた。
「DRIES VAN NOTEN (ドリス・ヴァン・ノッテン)」は服が持つ本当の豊かさと、服が語る数々のストーリーにオマージュを捧げるコレクションを展開した。テーマは”服への愛”。オーガンザを幾重にも重ねたリバーシブルコートや、ゴールドジャカードで仕立てたテーラードスーツ、シルクを二重に重ねた細長いシルエットのシャツになど、ブランドのアーカイブをモダンにアレンジ。繊細なゴールド刺繍やラメをほどこし、きらびやかなスタイルを完成させた。
DRIES VAN NOTEN
BALENCIAGA