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    2019-2020秋冬 パリコレクション
メンズテーラードをフェミニンにアレンジ
“黄色いベスト運動”がフランス全土で巻き起こりる中、2019-2020秋冬パリコレクションが開催された。誰もが混乱を予想していたが、ふたを開けてみれば、公式参加ブランドはプレゼンテーションを含め105を数え、近年の減少傾向を払拭する盛況ぶりとなった。

長らく続いたスポーツテイストへの傾倒にようやく終焉の兆しが見えてきた。トレンド流れを大きく変えたのは“クラシック回帰”の流れ。メンズライクなテーラードジャケットに1980年代パワーショルダーや英国調チェックをプラスしたスーツスタイルが大きく台頭。「CELINE(セリーヌ)」「VALENTINO(ヴァレンティノ)」「ALEXSANDER McQUEEN(アレキサンダー・マックィーン)」らパリを代表する大御所メゾンがこぞってクラシカルなスーツスタイルを提案した。

強い女性を表現するカラーとしてデザイナーたちが着目したのは黒。何色にも染まらない強さを演出すべく、頭から足先までをオールブラックで統一したコーディネートが「DIOR(ディオール)」「LANVIN(ランバン)」「HERMES(エルメス)」など多くのブランドで提案された。それとは対照的に、彩度の高いピンクやグリーン、イエローを効かせた1990年代ミニドレスも復活。ボリュームショルダーでシルエットに緩急をつけたドレスは、繊細かつセンシャルな女性像をのぞかせる。 トレンドアイテムは厚手の肩パット入りテーラードジャケット、ラメやアルファベットロゴをあしらうことで新解釈を加えたトレンチコート、ジャケットからはみ出すほど大きくデフォルメされたボータイブラウス、幅も長さも多種多様なプリーツスカートなど。プリントではシュールレアリスムやチェッカー柄といったアートから着想を得たグラフィカルモチーフに注目したい。

Hedi Slimane(エディ・スリマン)が「CELINE」のクリエイティブ・ディレクターに就任して2シーズン目。創始者Celine Vipiana(セリーヌ・ヴィピアナ)の70年代アーカイブに光を当て、メンズ仕立てのテーラードジャケットにボータイブラウス、キュロットスカート、裾広がりのケープコート、ニーハイブーツなどを携え、ブランド由来のパワーウーマンを完成させた。どのアイテムもブラウン系のカラートーンでそろえ、気品あふれる女性を描き出している。

CELINE

SAINT LAURENT