ファッションで表現する「DIVERSITY(多様性)」とは?
トランプ政権誕生はニューヨークのファッション業界にも大きな影響を与えている。2017春夏シーズン、ニューヨークのデザイナーたちがこぞってテーマに掲げたのは多様性文化を意味する「DIVERSITY(ダイバーシティ)」。“See Now Buy Now”を新たに導入したり、メンズとウィメンズのコレクションを同時に披露する動きが広がるなど、コレクションの提案方法もバラエティーに富んでいる。
最も注目したいのはRaf Simons(ラフ・シモンズ)がチーフ・クリエイティブ・オフィサーに就任して初めてのシーズンとなった「CALVIN KLEIN COLLECTION(カルバン・クライン・コレクション)」。星条旗モチーフをあしらったスタイルやカーボーイルック、デニム、キルティングなどアメリカ文化の象徴を随所にちりばめた。開拓使を連想させるカーボーイシャツやウエスタンブーツ、デニムのセットアップ、マーチングバンドのユニフォームを連想させるパンツルックはまさにアメリカへオマージュと言えるだろう。
一方、「MICHAEL KORS COLLECTION(マイケル・コース・コレクション)」はさまざまな体格や年齢のモデルを起用することで民族多様性をアピール。肩幅を広く取ったテーラードコートや毛足の長いゴージャスなファーコートでニューヨークのパワフルウーマンを印象づけた。アウターはマニッシュなシルエットを強調しながらも、中に着ているドレスには深く切り込んだスリットやドレープ、フリンジを飾り、ゴールドやシルバーのラメ素材を多用するなど、エレガントな要素をプラスしている。
そのほか、来シーズンより発表の場をパリに移す「PROENZA SCHOULER(プロエンザ・スクーラー)」Jack Mc Collough(ジャック・マッコロー)、Lazaro Hernandez(ラザロ・ヘルナンデス)のコレクションもお見逃しなく!
CALVIN KLEIN COLLECTION
MICHAEL KORS COLLECTION