90年代のパワフルなスタイルが復活
トランプ政権の保護主義政策がニューヨークのデザイナーたちに大きな影響を及ぼしている。2025年2月6日~11日の6日間にわたって開催された2025−2026秋冬 ニューヨークコレクションでは、トランプの政策に異を唱えるかのような強い女性のスタイルや、デジタルネイティブ世代に向けたエネルギッシュなスタイルなど、ファッションを通じて自らの意思を表現する動きが見られた。
女性の強さを演出するスタイルとして提案されたのは、かっちりとしたショルダーラインのテーラードジャケットやレザーのベルテッドコート、Pコートといったマニッシュなアイテム。強さの象徴であるパワーショルダーは1980年代を彷彿とさせる。クリーンなシャツにワイドなスラックス、タイトスカートと合わせてワーカーズ
ルックに落とし込む。たっぷりとした生地で仕立てられたコクーンシルエットのコートやケープといったアイテムは、ファーやシアリングを伴って身体を優しく包み込み、フェミニンにアレンジされている。
もう一つ注目したいのは、定番のアメリカン・カジュアルにレースやフリル、リボン、キラキラの装飾をあしらったガールズマインド全開のルック。ガーリーな要素とグランジ、ボヘミアンといったレトロな要素をミックスし、着古し感をアピールする。あらゆる要素をミックスし、多様な要素をレイヤードすることで、アメリカのインクルーシブな社会を表現している。
注目ブランドは”Dégagé chic (洗練された上品さ)”をテーマに、強い女性のコンフォートスタイルを提案した「MICHAEL KORS COLLECTION (マイケル・コース・コレクション)」。マニッシュなテーラードジャケットやコートはソフトな素材感とリラクシングなシルエットで、女性らしさをプラスする。レザーのトレンチコートをガウンのように羽織り、洗練された上品さを演出。ボックスシルエットのジャケットとワイドなトラウザーズのセットアップや、ファーやスパンコールを飾ったドレスなど、1990年代のグラマラスなムードを携えているのもポイントだ。

MICHAEL KORS COLLECTION

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