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    2022春夏 ニューヨークコレクション
バカンスムード全開! 開放感あふれるポジティブルックが台頭
パンデミックの影響でオンライン形式での発表を余儀なくされていたニューヨークコレクションだが、2022春夏シーズンは観客を入れてランウェイショーを行うブランドが増加、以前の画期を取り戻しつつある。2021年9月8日〜12日の6日間の開催期間で約120にのぼるブランドが参加した。ワクチン接種証明の提示やソーシャル・ディスタンスを徹底しながら、未来への希望に満ちあふれるエネルギッシュなスタイルが提案された。これまでミラノでコレクションを披露してきた「MOSCHINO(モスキーノ)」や、10年にわたり発表の場をパリに移していた「THOM BROWNE(トム・ブラウン)」がニューヨークにカムバック。鮮やかな色彩に開放的なディテール、ビキニやネイキッドドレスといったバカンスのムード全開のアイテムなど、オプティミスティックなスタイルが多く見られた。また、環境問題への意識の高まりから、サスティナビリティへの取り組みも重要なポイントとなっている。

Jeremy Scott (ジェレミー・スコット)が手がける「MOSCHINO」は、緑豊かなブライアント・パークでフィジカルショーを開催。「Ladies Who Lunch」をテーマに、1990年代のフラン・ドレッシャー主演のテレビドラマ『The Nanny (ザ・ナニー)』を彷彿させるスタイルを提案した。ブランド創業者フランコ・モスキーノがデザインしたクラシカルなスーツを再構築。アニマル・モチーフを散りばめたパステルカラーのスーツやドレス、積み木のバッグにアルファベットのアクセサリーなど、様々なシーンで元気いっぱいに活動する女性のスタイルを並べた。

一方、「THOM BROWNE (トム・ブラウン)」はメンズとウィメンズの合同ショーを披露。美しい邸宅の忘れ去られた庭園をイメージしたというスタイルは、まるでオートクチュールを見ているような職人技が随所に垣間見られる。放置されていた庭園の彫刻を思わせるドレスは、何十枚ものチュールを重ね合わせて陰影を形作っている。シアサッカーやハウンドトゥースを用いたスーツスタイルは長袖と半袖を組み合わせたアシンメトリーデザイン。プリーツの効いたマキシスカートはウィメンズとメンズの共通アイテムとなっており、ジェンダーレスなルックとして提案された。

MOSCHINO

THOM BROWNE