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    2020-2021秋冬 ニューヨークコレクション
シンプル&タイムレスなスタイルが台頭
新型コロナウイルスの猛威が全世界に広がり始めた2020年2月7日〜12日、2020-2021秋冬 ニューヨークコレクションが開催された。今シーズンは「RALPH LAUREN(ラルフローレン)や「TOMMY HILFIGER (トミー・ヒルフィガー)」「DONNA KARAN NEW YORK(ダナ・キャラン・ニューヨーク」「CALVIN KLEIN(カルバン・クライン)」が不参加となり、「3.1 PHILLIP LIM(3.1フィリップ・リム)」「KATE SPADE NEW YORK(ケイト・スペード・ニューヨーク)」は展示会形式でのショーに切り替えるなど、ニューヨーク・ファッションを牽引するデザイナーの欠場が相次ぎ、華やかさに欠けるシーズンとなった。

社会不安がはびこる中で提案されたのは、サスティナビリティーの流れを意識しながら、着心地が良く、シンプルかつタイムレスなスタイル。前ジーズンから続くジャケットを中心としたコーディネートは、パンツやペンシルスカートとのセットアップで力強さを増した。ロングブーツと合わせることで、普遍的なスタイルを形成している。

タイムレスなスタイルを完成させる上で欠かせないのはチェック柄。タータンチェックやグレンチェックといったトラディショナルなチェック柄がロングドレスやコートに採用された。フォルムでは袖の上部が大きく膨らみ、手首に向かって細くなるジゴスリーブ(Gigot: 羊の足)がトレンドとして浮上。ドレープやフリルをともなって、クラシカルなドレスを華やかに演出する。

実力派デザイナーが欠場する中、ひときわ存在感を示していたのは「MARC JACOBS(マーク・ジェイコブス)」。開放的で自由なスタイルを明るいカラーで表現した前ジーズンから一転、2020-2021秋冬はシックな美しさの中にカオスと立体感、抑制と大胆さが交差する90ルックを披露した。1960年代の雰囲気をのぞかせるパステルカラーのコートやセットアップスーツが登場したかと思えば、シンガーのマイリー・サイラスのように強い個性を持つ女性を思わせるブラック&ホワイトのドレス、ジャクリーン・ケネディーに通じるAラインドレスなど、アメリカへのリスペクトを感じさせるスタイルも提案された。

MARC JACOBS

LONGCHAMP