マウンテンパーカやダウンコート、MA-1、カモフラージュ柄のセットアップなど、アウトドアアイテムが多数提案された2017-2018秋冬 メンズコレクション。ここ数シーズン続くオーバーサイズ傾向は、ムートン、ローゲージニット、ダウンといったボリュームのある素材と相まって一層拍車がかかっている。コクーンシルエットやラグランスリーブが目立ち、肩回りが巨大に進化しているのが特徴だ。その対極にあるのはブリティッシュトラッド。オーバーサイズ化に異を唱えるような極限までタイトなシルエットのフォーマルスーツもトレンドに浮上した。基本のシルエットはスリムストレート、またはリラックステーパード。指先まですっぽりかくれる長い袖、故意にずらしたボタン位置など、ちぐはぐに見えるディテールも登場している。

最も注目したいのはデザイナー交代で話題をさらった「マルニ(MARNI)」。創業者兼クリエイティブ・ディレクターとして20年以上にわたりブランドを支えてきたコンスエロ・カスティリオーニ(Consuelo Castiglioni)が退任し、2017-2018秋冬よりフランチェスコ・リッソ（Francesco Risso）が抜擢された。デジタルサイネージに彩られたステージに登場したのは色、柄、素材、テイストを過剰に組み合わた一見ちぐはぐなスタイル。コーデュロイのセットアップのジャケットには毛足の長いファー襟があしらわれ、ラグジュアリーなファーコートとスニーカーをコーディネート。毛足の異なるファーをパッチワークして仕立てたジャケットにはハイウエストパンツとボーダーニットを組み合わせている。

一方「ドルチェ＆ガッバーナ(DOLCE&GABBNA)」はYouTubeから誕生した歌手オースティン・マホーン(Austin Mahone)をはじめ、世界中から49人のYouTuberを招集し、エンターテインメント性の高いショーを展開。中世ヨーロッパの王侯貴族のスタイルと現代のストリートファッションを融合させた。ナポレオンジャケットとブルゾンをつなぎ合わせたアイテムや、シロクマの着ぐるみとスタジアムジャンパーが一体化したトップス、ダマスク柄のコートにスウェットパンツを合わせたコーディネートなど、奇想天外なスタイルを披露した。

MARNI

yoshio kubo