メンズコレクションにリアルクローズの波が押し寄せている。2017春夏 ミラノメンズコレクションではスポーツやミリタリー、アウトドアのテイストをベースに、機能性を加味したスタイルが多数提案された。若い世代の購買意欲を刺激するアイテムで、市場拡大を狙うブランドの姿勢が浮き彫りとなった。

ビッグシルエットの傾向はさらに顕著になり、ベルクロやスナップボタン、腰からだらりと垂れ下がったナイロンベルトなどのパーツで着こなしに変化を与えたスタイルが目立つ。また、1990年代のクラブカルチャーに端を発した“ダサい”を“かっこいい”と思わせるタッキーなコーディネートも引き続き台頭している。

注目ブランドはアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)がデザインを手掛ける「GUCCI(グッチ)」。“旅”をテーマにレトロなものと未来的なもの、西洋的なものとオリエンタルなもの、男性的なものと女性的なもの、さまざまな要素を一つのスタイルに落とし込んだミックススタイルが提案された。ナポレオンコートにスポーティーなソックスとスニーカーをコーディネートしたり、シノワズリプリントを全面にあしらったセットアップスーツにボウタイとサッシュベルトを合わせるなど、それぞれのスタイルに時代やカルチャーの枠を超えたアイデアが詰まっている。刺繍やパッチワーク、フリルといったロマンティックなディテールを採用することで、ここ数シーズン続くジェンダーレスな流れも継承。一見ちぐはぐに思えるタッキーな色使いにも注目。

GUCCI

MONCLER GAMME BLEU