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    2015春夏 ミラノメンズコレクション
進化形'90年代スタイルとは?
 装飾を極力控え、スポーツウェアの要素を取り込んだ'90年代スタイルが2015春夏 ミラノメンズコレクションに新風を巻き起こしている。ビッグサイズのTシャツやタンクトップ、バスケットボールのユニフォームを思わせる膝丈パンツ、洗いをかけたGジャンなど、アメリカンカジュアルがトレンドアイテムとして浮上。これらのアイテムは、テクスチャーの異なる素材を複数組み合わせたり、スポーツウェアが持つ機能性、程よいグランジ感をプラスすることで、洗練されたモード服へと進化している。

 '90年代当時のスタイルと大きく違うのは、異素材のコントラストとミニマルシルエットから生み出されるニュアンス感。ピュアホワイトのワントーン・コーディネートは、素材感の違いとミニマリズムの両方を備えたスタイルとして、多くのデザイナーが提案した。ミニマリズムを追求しながらも、力の抜けたゆるいシルエットでリラックス感を演出しているのが特徴だ。丈の異なるアイテムを重ねたレイヤードスタイル、ソフトなシルク素材で仕立てたパジャマスタイルもまた、2015春夏スタイルを演出するための欠かせない要素となっている。

 トーマス・マイヤーがデザインする「BOTTEGA VENETA(ボッテガ・ヴェネタ)」は、上質なレザーやカシミヤで仕立てたコンフォートウェアを披露。リラックス感漂うニットやスウェットパンツ、プルオーバーは洗いをかけてダメージ加工を施すことで、あえて着込んだ風合いに。少しだけ色味の異なるサンドカラーのアイテムを組み合わせたワントーン・コーディネートに注目。一方、マッシモ・ジョルジェッティが手掛ける「MSGM(エムエスジーエム)」は'80年代、アメリカ西海岸で暮らすカリフォルニア・ボーイに思いを馳せ、タンクトップやバスケットボールショーツ、Gジャンなどのアイテムにボタニカルプリントをのせたアメリカンカジュアルを提案した。パイナップルツリー、サボテンといった海辺のモチーフをアーティスティックなプリントに落とし込み、リラックス感漂うバケーションルックを完成させた。

BOTTEGA VENETA

MGSM