2024春夏ミラノメンズコレクションが2023年6月16〜20日、春夏シーズンの先陣を切って開催された。ミラノデザイナーたちが探求したのはメンズとウィメンズの境界線を取り払った”ジェンダー・フリュイド”。男性らしさやモダニズムを再定義するブランドが多く見られた。ショートパンツやスカートといった丈の短いボトムがトレンドアイテムに浮上。ウィメンズウェアで使用されているファンシーツイードやシャイニー素材、シアー素材で仕立てられたルックも登場。フラワーモチーフはウィメンズに引けを取らない大胆さでセットアップスーツに投入されている。エレガントに仕立てられたルックには花のコサージュや刺繍が飾られ、“ジェンダー・フリュイド”なスタイルを形成する。
コロナ禍の閉塞感のある雰囲気から解放された今、これまで以上にリラックスしたエフォートレスなルックが台頭しているのも特徴。外向き思考の流れて受けて、旅やスポーツにインスピレーション源を求めるデザイナーも少なくない。メンズの定番であるミリタリールックはよりエレガントに、コンパクトになって再構築。機能性を備えたフィッシングベストや、フィールドジャケット&パンツのセットアップを都会的なセンスで落とし込んだスタイルも見られる。
「VALENTINO (ヴァレンティノ)」はミラノ大学を舞台に、"Valentino The Narratives (ヴァレンティノ・ザ・ナラティブ)"と題したコレクションを発表。メンズ単独でのショーは3年ぶリとなる。クリエイティブ ディレクター Pierpaolo Piccioli (ピエールパオロ・ピッチョーリ)は、このコレクションを通じて現在のマスキュリニティを再定義した。アメリカ出身の新鋭シンガーソングライターd4vd (デイヴィッド)のライブパフォーマンスに合わせて登場したのは、ボトムスにショートパンツまたはスカートを合わせたセットアップルック。シャープなレタリングのデザインはアメリカの作家Hanya Yanagihara (ハニヤ・ヤナギハラ)の小説「A Little Life (ア・リトル・ライフ)」の一節から抜粋したものだ。日本発のバッグブランド「PORTER (ポーター)」とのコラボレーションバッグも提案された。