フォーマル回帰で何が変わる?
ストリートからエレガンスへ。2019-2020秋冬はスーツスタイルが復活、フォーマル回帰がトレンドの方向性を大きく動かした。過去の正統派テーラードスーツと異なるのはストリートのディテールを残している点だ。例えば、ここ数シーズントレンドとなっていたオーバーサイズジャケットに肩パットを入れたり、レザーやチェックでスーツをロック調にアレンジしたり、サルトリアスーツをベルベットやコーデュロイで仕立てるなど、フォーマルスーツに新たな解釈が加わっている。また、アイテムの一つにタイガー、レオパード、セブラ、パイソンといったワイルドなアニマル柄を大胆に取り入れたスタイルも多い。番組ではピッティ・インマージネ・ウォモ3ブランド含む14ブランドを紹介する。
注目ブランドはグランジロックなスタイルを提案した「MARNI (マルニ)」。米国人ロックミュージシャン、Kurt Cobain (カート・コバーン)を彷彿とさせるスタイルは、レオパードやタイガーといったアニマル柄にチェックやストライプ、フラワー、幾何学など異なるジャンルの柄を組み合わせることで形成される。ヴィヴィッドカラーのレザーコートとダボダボのワイドパンツ、オープンカラーシャツ…そこに床まで届きそうなストールを合わせたスタイルは、どこか野生的な雰囲気も併せ持つ。
一方、ミラノ中央駅構内でコレクションを開催した「 ERMENEGILDO ZEGNA (エルメネジルド ゼニア )」 (デザイナー:)はクラシカルなフォーマルスーツを軸にしたコレクションを展開した。テーマは「WALKS OF LIFE」。セットアップスーツをベースにしながら、ジャケットの裾をリブにしたり、パンツの裾にテープを複数巻いてジョガーパンツ風にアレンジするなど、ストリートへの傾倒も垣間見られる。ミラノメンズコレクションの幕開けにふさわしい作品が並んだ。
MARNI
ERMENEGILDO ZEGNA