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    2017-2018秋冬 ミラノコレクション
「多様性」から生み出されるトレンドとは?
多様性文化を重んじる時代の流れを映し出すかのように、2017-2018秋冬 ミラノコレクションではあらゆる要素をミックスさせたスタイルが台頭。マスキュリンなアイテムに刺繍やビーズ、フリンジ、フェザーをあしらいフェミニンに味付け。ジェンダーレスなスタイルがさらなる進化を遂げている。また、肩パットで肩をいからせたパワーショルダーやドロップショルダー、丸みのある袖、大胆なフリルでボリュームのあるシルエットが形作られているのも今シーズンの特徴だ。

デザイナーのインスピレーション源は1970年代のサイケデリック・モチーフから、スポーツ、ミリタリー、英国調までと多岐にわたり、トレンドが分散化が際立った。注目アイテムは肩や襟にボリュームを持たせたコートやジャケット、袖をオーバーサイズにデザインしたシャツやニット、アシンメトリーにカッティングされたミニスカート、ルーズなシルエットのワイドパンツ、グレンチェックやツイードといったメンズ素材を用いたセットアップスーツ、1970年代のサイケデリックプリントをほどこしたドレスなど。どのアイテムにも共通しているのはシルエットにたっぷりの量感と力強さが備わっている点だ。

Alessandro Michele(アレッサンドロ・ミケーレ)率いる「GUCCI(グッチ)」は、ブランド初となるメンズとウィメンズの合同ショーを披露した。テーマは「The Alchemist's Garden(錬金術師の庭)」。119ルックもの壮大なコレクションはシノワズリとブリティッシュテイストをミックスさせたセットアップドレスや、フリルや花柄で飾ったマスキュリンなスーツ、17-18世紀のコスチュームとスタジアムジャンパーを合体させたスタイルなど、時代や文化、性別を超越した刺激的な作品に仕上がっている。色と色、柄と柄、異なるテイストの激しいぶつかり合いから生まれるスタイルが、混沌とした今の時代を象徴しているよう。

一方、Massimo Giorgetti(マッシモ・ジョルジョッティ)が手掛ける「MSGM(エムエスジーエム)」は1990年に大ヒットしたアメリカのTVドラマ『ツインピークス』をテーマに掲げ、ドラマの世界観をファッションに落とし込んだ。森をイメージしたプリントワンピース、オーバーサイズのスタジャンにチュールのプロムスカートなど、ドラマのワンシーンを思い起こさせるようなスタイルが並ぶ。レッド、スカイブルー、イエロー、黄緑といったヴィヴィッドな色使いが、シュールな世界観を引き立たせる。



MSGM

GUCCI