あらゆる要素をミックスし、一つのスタイルに凝縮
ファッション、アート、ミュージック…3 大カルチャーが最も活気に満ちていた1970〜1990年代。この輝かしい時代のありとあらゆる要素をたぐり寄せ、一つのデザインに落とし込んだミックススタイルが2016-2017秋冬ミラノコレクションを席巻している。
デヴィッドボウイらグラムロックシーンのカリスマがファッションに多大な影響を与えた1970年代。ロンドンやニューヨークのアンダーグラウンドから火が着いたパンクファッションに代表される1980年代。そして、ヒップホップやグラフィティなどストリートから生まれたグランジスタイルが一世を風靡した1990年代。異なるカルチャーをミックスすることで形成されるプロポーションは、素材を絞ったり長い紐を垂らしたり、オフショルダーでアシンメトリーにデザインすることで、より複雑で毒気のあるものに進化している。バイカージャケットやボマージャケットなどのアウターは肩周りに毛足の長いファーをあしらいビッグサイズにデフォルメされた。コートとカーディガンが合体したコーディガンはリラックス感漂うオーバーサイズに進化。また八分丈のクロップドパンツは極端なワイドシルエットが主流となり、細身のショートブーツとコーディネートすることで今シーズンらしさを主張している。エレガントな雰囲気を醸し出すミモレ丈スカーは引き続き台頭する一方で、アシンメトリーにデザインされた膝上20センチ以上のマイクロミニスカートが登場しているのも見逃せない。カラーはサックスやレッド、マスタード、パープルなど秋冬らしからぬヴィヴィッドなカラーリングがポイント。プリントでは1970年代のロンドンを髣髴とさせるクラシカルなグレンチェック、バッファローチェック、ウインドーベンといったチェック類に注目したい。
アレッサンドロ・ミケーレがデザインする「GUCCI(グッチ)」は1970年代のクラシカルなスタイルにシノワズリやジャポネスクといったアジアンテイストをミックス。シルクのシノワズリドレスはヘムにファーやフリルがプラスされ、よりロマンティックな仕上がりに。サックスやチャイニーズレッド、ピンク、マスタードイエローを取り入れたカラフルな色使いで今シーズンらしさをアピール。カナダ人アーティスト、Trouble Andrew(トラブル・アンドリュー)とコラボしたGGロゴの入ったバッグにも注目。
MSGM
GUCCI