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    2016春夏 ミラノコレクション
'70年代スタイルに新風を吹き込む装飾とは?
 刺繍やプリント、レース、フリル、ラッフルなど、装飾的な要素を組み合わせた'70年代スタイルが台頭。装飾過多とも思えるような職人技は、ノージェンダーの流れを弱め、より女性的でロマンティックなスタイルに昇華させた。

アイテムとして注目したいのは肩まわりを大きくボリュームアップさせたブラウス、首まわりに細かいシャーリングを利かせたスモッキングブラウス、ボートネックやベアトップの変形ニット、レイヤードを形作る上で欠かせないエプロンドレス、ラップスカートにスリットスカート。先シーズンから続くエフォートレスな流れを受けて、ワイドパンツ、クロップドパンツなどのパンツ類は腰で履くルーズなシルエットへと進化を遂げた。

アレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)がクリエイティブ・ディレクターに就任して2シーズン目となる「グッチ(GUCCI)」は、フランスの小説家マドレーヌ・ド・スキュデリー(Madeleine de Scudery)の『恋愛の国の地図(Carte de Tendre)』からインスピレーションを得て、刺繍やレース、プリント、フリルを組み合わせ、装飾いっぱいの'70年代スタイルを提案した。装飾のモチーフは色とりどりの花や動物、虫、果物、地図など多岐にわたり、職人の手仕事で繊細に落とし込んでいく。透け感のある素材を重ねたドレスには、ボウタイや大きなリボンが付けられ、ロマンティックに仕上がっている。

コンスエロ・カスティリオーニ(Consuelo Castiglioni)がデザインする「マルニ(MARNI)」は、極彩色のカラーブロックを抽象画のように組み合わせ、アーティスティックなドレスを完成させた。彫刻のように鋭いエッジのパターンで構成されたロングドレスにはアシンメトリーなエプロンドレスやドット柄のカットワークをほどこしたノースリーブドレスが重ねられている。大胆な色とシルエットで描き出すレイヤードの妙に注目。

胸元にほどこしたスモッキングやボリューム感たっぷりのパフスリーブで、'70年代フォークロアスタイルを披露したのは「フェンディ(FENDI)」。襟ぐりや袖口、腰まわりに細かくシャーリングを聞かせたスモッキングの手法はコットンからレザーまで幅広く採用されている。バルーンシルエットのショートーパンツやくるぶし丈のスリットスカートといった甘さの漂うアイテムも、カーキ、ボルドー、ターコイズといった毒気のあるカラーで仕立てることでスタイルのバランスを図っている。



GUCCI

FENDI