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    2015-2016秋冬 ミラノコレクション
ボリュームたっぷりの1970年代調スタイルが台頭
 ミラノ万博開幕を5月に控え、2015-2016秋冬 ミラノコレクションはいつになく活気づいていた。ランウェイショーを披露したブランドは70にのぼり、若手デザイナーの躍進も目立った。

 2015-2016 秋冬シーズン、ランウェイを席巻したのは1960〜1970年代調のノスタルジック漂うスタイル。メンズコレクションの流れを受けて、男女の性差を越えた“ノー・ジェンダー”なスタイルを提案したブランドも少なくない。トレンドアイテムはかぶるだけで優美なシルエットを形成するポンチョやケープ、顔を覆い隠すほど毛足の長いファーコート、地面に着く長さのワイドパンツ、プリーツやラッフルを多用したアシンメトリードレス、ハイウエストをマークする太ベルトなど。ビーズ、スパンコール、金糸、銀糸といったメタリック素材を駆使して、ギラギラ感がプラスされている。どのアイテムもボリュームたっぷりで、力強さがみなぎっているのが特徴だ。

 フリーダ・ジャンニーニ(Frida Giannini)が築いたグラマラスなイメージから一転、ロマンティックな1970年代スタイルを提案した「GUCCI(グッチ)」。新クリエイティブ・ディレクターに抜擢されたアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)は、フランスの哲学者ロラン・バルトの言葉「The Contemporary is the Untimely(コンテンポラリーは反時代的である)」を引用し、これまでのファッションの在り方に一石を投じた。前半はパジャマ風スーツにボウタイブラウスといった男女双方が着られる“ノー・ジェンダースタイル”、後半はシアーなフリルブラウスとメタリック素材で仕立てたミモレ丈のプリーツスカートの組み合わせや、鳥や花のモチーフをちりばめたロマンティックドレスで構成。ファッションに新機軸を打ち出した。

 ピーター・デュンダス(Peter Dundas)が手がける「EMILIO PUCCI(エミリオ・プッチ)」は、夜空にきらめく星座モチーフをスタイルに投影。たっぷりとしたベルベットのマキシコートやニットドレス、スエードスカートには星座モチーフの刺繍が施されている。いて座、さそり座、てんびん座、流れ星に月…変化に富んだコズミックパターンを金糸やビーズであしらい、ラグジュアリー感をプラス。コレクションの軸となっているブラック&ホワイトのカラーリングはブランドの創始者エミリオ・プッチが1950年代に提案したブラック&ホワイトのプリントへのオマージュが込められている。なお、デュダスは今季で同ブランドのデザイナーを退き、2016年より「ROBERTO CAVALLI(ロベルト・カヴァリ)」のクリエイティブ・ディレクターに就任する。






GUCCI

EMILIO PUCCI