1970年代の享楽的なムードがランウェイを包みこむ
1970年代の若者たちが社会への反発から引き起こしたムーブメントが脚光を浴びている。
厚底のチャンキーヒール、ハイウエストのフレアパンツ、色鮮やかなフラワープリントに代表される"ヒッピー"、繊細なレースアップやトライバルな刺繍、フリンジなどのディテールで表現される"ボヘミアン"、カーキやサンドといったアースカラーで女性の強さを演出した"ミリタリー"…1970
年代を髣髴とさせるキーワードが並ぶ。
かつての享楽的なムードはデザイナーのインスピレーションに大きく作用し、スタイルのふり幅が大きくなっているのも今シーズンの特徴だ。帯ベルトや着物の合わせを取り入れたジャポニズムはその一例。さらに1960年代のレトロ・フェミニンなギンガムチェック、デニムに焦点を当てた1990年代ストリートスタイルが加わって、ありとあらゆる時代のテイストが盛り込まれている。
「MARNI(マルニ)」は“Crescendo(クレッシェンド:だんだん大きく)”をテーマに、モノトーンから徐々に色数を増やし華やかさを増していくドラマティックなコレクションを展開した。前半はハリのあるコットンキャンバスやリネンで仕立てられた構築的なドレス、後半は大降りのフラワーモチーフをプリントしたセットアップドレスで構成される。シルエットはアシンメトリーが中心。ぺプラム風に広がるトップスと、柔道着を思わせる帯ベルトがスタイルに変化を与えている。
「BOTTEGA VENETA(ボッテガ・ヴェネタ)」は“ダンサー”から着想を得て、スポーティー&ナチュラルなスタイルを提案した。ダルトーンのレオタードにロングニットを羽織ったスタイルはリラックスしたダンサーの日常を思わせる。部分的にチュールやシフォンを重ねたレトロ・フェミニンなギンガムチェックドレス、デニムの表と裏をはぎ合わせて質感の違いを演出したワンピースドレスなど、2015 春夏トレンドもしっかり押さえている。
そのほか、“バービー人形”をテーマに遊び心いっぱいのコレクションを展開した「MOSCHINO(モスキーノ)」、“スヌーピー”をモチーフにしたスポーティーなスタイルを披露した「FAY(フェイ)」も要チェック!
MARNI
BOTTEGA VENETA