デザイナー交代で見えてきたミラノ新世紀とは?
2026春夏 ミラノコレクションが2025年9月23日~29日の7日間にわたって開催された。今季はデザイナー交代が相次ぎ、新時代の到来を予感させるシーズンとなった。新クリエイティブ・デ
ィレクターにLouise Trotter (ルイーズ・トロッター) を迎えた「BOTTEGA VENETA (ボッテガ・ヴェネタ)」をはじめ、Demna (デムナ) による「GUCCI (グッチ)」、Simone Bellotti (シモーネ・ペロッティ) による「JIL SANDER (ジル・サンダー)」、そしてDario Vitale (ダリオ・ヴィターレ) による「VERSACE (ヴェルサーチェ)」と、4 つの大御所ブランドが新体制となって作品を発表。さらに9月4日に91歳で逝去したGiorgio Armani (ジョルジオ・アルマーニ) のラストコレクションが行われるなど、転換期に突入している。
そんな激動のミラノでトレンドに浮上したのは、ゆったりシルエットで仕立てられた日常に寄り添うラグジュアリールック、装飾を抑えたミニマルなデザイン、そしてトマトレッドやピンク、ネオンカラーといった鮮やかなカラーブロックで描くポジティブスタイル。フリンジやフェザー、ビーズの装飾でクラフト感をアピールしたり、
ドローストリング、メッシュといったスポーティーなディテールが採用されているのも特徴だ。
2026年、ブランド創業60 周年を迎える「BOTTEGA VENETA (ボッテガ・ヴェネタ)」は、イタリア語で”ヴェネト州の工房”という意味を持つブランド名に立ち返ったコレクションを披露した。Louise Trotter (ルイーズ・トロッター) はアイコニックな編み込み技法”イントレチャート”を巧みに操り、クラフト感あふれるラグジュアリースタイルを提案した。イントレチャート技法はコートやシャツ、パンツ、バッグに至るまで、あらゆるアイテムに採用されている。4,000時間かけて編み上げたというイントレチャートのロングケープは必見だ。
一方、「VERSACE (ヴェルサーチェ)」はミラノ中心部のアンブロジアーナ美術館でDario Vitale (ダリオ・ヴィターレ) によるデビューコレクションを披露した。1980年代を彷彿とさせるカラフルな色彩とボディコンシャスなシルエットでスタイルを再解釈。サイドを大胆にカットしたT シャツとカラーデニムのコーディネートや、パワーショルダーのテーラードジャケット、官能美を携えたメタルドレスなど、ブランドのアイデンティティに敬意を表しながら、ポジティブムード全開のコレクションを展開した。

