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    2024春夏 ミラノコレクション
官能美を備えたミニマリズムが台頭

2024春夏 ミラノコレクションが2023年9月19~25日の7日間にわたって開催された。62ブランドがフィジカルショーを開催したほか、デジタルショー5ブランド、展示会76ブランド、その他のイベントは33を数え、ファッション都市の威厳を完全に取り戻した格好だ。また今シーズンは「TOM FORD (トム・フォード)」「GUCCI (グッチ)」 「BALLY (バリー)」ら有力ブランドが新たなクリエイティブディレクターを迎え、ブランドの刷新を図るなど、話題満載のシーズンとなった。

2024春夏、押さえておきたいトレンドは、レースやシースルー素材で仕立てた”ミニドレス”、モノトーンベースの”’90ミニマリズム”、ワークウェアの要素を加えた”ミリタリールック”、そしてリラクシングな”リゾートルック”が挙げられる。Y2Kから派生した肌見せの流れは、アンダーウェアにオーガーンジーなどの透け感のある素材を重ねて作るセンシャルルックとして多数のブランドが提案した。一方、先シーズンから続く”Quiet Luxury (クワイエット・ラグジュアリー)”の流れを受けて、装飾やプリントを削ぎ落としたミニマリズムが時代精神を表す一大トレンドを形成。さらに、春夏らしい軽やかな素材で仕立てられたエポーレット付きジャケットやカーゴパンツ、海辺のリゾートを想起させるボタニカルなドレスがトレンドアイテムとして浮上している。

注目ブランドは、Peter Hawkings (ピーター・ホーキングス)を新クリエイティブ・ディレクターに迎え、ミラノという新天地で新たなスタートを切った「TOM FORD」。26年間トム・フォードを支えてきた彼は、ブランドのアイデンティティであるハウスコードを受け継いだグラマラスな57ルックを披露した。ピークドラペルのジャケットに細身のトラウザー、胸元を大きく開けたシャツのコーディネートは官能的で、90年の「GUCCI」を彷彿とさせる。背中が大きく開いたロングドレスやホルターネックのオールインワンなど、肌身見せのテクニックも秀逸だ。




TOM FORD

DOLCE&GABBANA