ファッション動画配信サービス「ファッションニュース・エクスプレスBB」
    2019-2020秋冬 ミラノコレクション
トレンドの要は“クラシカル・エレガンス”

ストリートからエレガンスへ。ロンドン、ニューヨークで見られたエレガンスへの傾倒は、ミラノコレクションで確固たるものとなった。エレガンスへの原点回帰はテーラードスーツの復活を生み、ブランドのアーカイブを紐解き再構築する道しるべを作った。とりわけミラノでは、ローマ美術やルネッサンスなどの芸術的な雰囲気を携えた重厚な雰囲気のエレガンスが台頭しているのが特徴だ。

注目のディテールは1970〜1980年代のパワーショルダー、ボウタイ、ウェストシェイプしたシルエット、手の込んだ刺繍、フリルやフリンジ、フェザー使いといったデコラティブな装飾だ。パワーショルダーはクラシカルなセットアップスーツやガウンコートに、ボウタイはツヤツヤとしたとろみ素材のブラウスに、フリンジやフェザーなどのボリュームの出る装飾はコートやニットなどのアイテムに取り入れられている。

アイテムでは異素材を組み合わせたプリーツスカート、クラシカルなムード漂うミモレ丈タイトスカート、腰回りを膨らませたテーパードパンツ、オーバーサイズのセットアップスーツ、ウエストをシェイプしたボウタイブラウス、ウエストから大きく広がったAラインスカート、ニットの上から着用するビスチェなど。これらに共通しているのは絞るところは極限までシェイプし、強調するところは大きくボリュームアップさせることでメリハリを効かせている点だ。

ミラノコレクション開幕直前に伝えられたKarl Lagerfeld (カール・ラガーフェルド)の訃報はファッション業界に大きな衝撃を与えた。1965年以来、54年間の長きにわたり「FENDI (フェンディ)」のクリエイティブ・デザイナーを務めた大御所中の大御所だ。悲しみに包まれた会場で発表されたのは上品なニュートラルカラーに染められ、肩パット入りのオーバーサイズにデザインされたボックスシルエットのジャケットやコート。上質レザーを使ったトレンチコートやワンピースにはダイヤモンド型のパンチングが施され、軽さと若々しさを引き出している。




FENDI

MARNI