性別や文化、時代の枠を超えたミックススタイルが台頭
ここ数シーズン、ミラノではデザイナーの世代交代が進んでいる。2017-2018秋冬シーズンよりフランチェスコ・リッソによる新体制となった「MARNI(マルニ)」をはじめ、今シーズンは「JIL SANDER(ジル・サンダー)」「ROBERTO CAVALLI(ロベルト・カヴァリ)」が新たなクリエイティブ・ディレクターを迎えた。また、「GUCCI(グッチ)」「BOTTEGA VENETA(ボッテガ・ヴェネタ)」「ATSUSHI NAKASHIMA(アツシ・ナカシマ)」ら男女合同ショーを行うブランドが増加しているのも特徴だ。番組では変革が進むミラノから22ブランドのランウェイショーを紹介する。
2018春夏の注目トレンドは、性別や文化、時代の枠を超えたミックススタイル。素材から色、柄、テイストにいたるまで、あらゆる要素を複雑に絡み合わせ、一つのアイテムに落とし込む。フリンジや切りっぱなしを多用した野性味あふれるスタイル、スポーツウェアにクチュールテイストをプラスしたスタイル、インパクトの強い柄と柄を同時に使ったスタイル、世界各地のリゾートウェアをミックスしたスタイルなど、ミラノのデザイナーたちはブランドのアイデンティティーを加味しながら新時代のミックススタイルを完成させた。また、フリルやラッフル、トランスペアレント使いといった女性的なディテールの増加で全体的に華やかさが増している。
ブランドアイコンであるGGモチーフを多用し、ブランドのアイデンティティーを最大限に主張したのはアレッサンドロ・ミケーレ率いる「GUCCI」。1980年代のディスコシーンと世界各地の民族衣装のディテールをミックスしたスタイルを提案した。ゴールドのスパンコールを全面にあしらったリボンドレス、中国のディテールやハワイのトロピカルプリントをミックスしたドレス、エルトン・ジョンとのコラボアイテムなど、一つのコーディネートに様々な要素が混在している。透け感のある素材を重ねたレイヤードの妙にも注目。
一方、「JIL SANDER」はLucie Meier(ルーシー・メイヤー)・Luke Meier(ルーク・メイヤー)夫妻がクリエイティブ・ディレクターに就任して初のコレクション。ミニマルな白シャツにプリーツやギャザーをプラスしてドレスに落とし込んだ。オーガンジーで仕立てた格子柄のマキシ丈ドレスはトランスペアレントな素材感を最大限に生かしたアイテム。ホワイト、ブラック、ネイビーのモノトーンカラーでまとめられたスタイルは、ミニマリズムを追求するブランドのDNAを引き継ぎながら、新生「JIL SANDER」の息吹が感じられるコレクションとなった。
GUCCI
JIL SANDER