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    2022春夏 メンズコレクション
パンデミック後の未来をスタイルに投影
パンデミックの閉塞感からようやく解放され、新たなシーズンを迎えたメンズコレクション。ミラノメンズはロックダウン解除後の6月18日〜22日の5日間で47ブランドが参加。「DOLCE&GABBANA (ドルチェ&ガッバーナ)」や「ETRO (エトロ)」といった大御所ブランドはフィジカルでのランウェイショーを開催したが、まだまだデジタル・プレゼンテーションが大勢を占めている。続いて行われたパリメンズは、これまでより一日長い6月22日〜27日の6日間の会期日程。デジタルでの参加を希望するブランドが増えたためで、その数は72ブランドにのぼった。ワクチンの普及により少しずつ以前の生活を取り戻してはいるものの、実際にランウェイショーを開催したブランドは「HERMÈ (エルメス)」などの有力ブランドにとどまった。

多様化が進む中で、デザイナーたちの視点はパンデミック後の希望に満ちた世界に向いている。多くのブランドが自由、旅、再出発など、明るい未来を表現する言葉をキーワードに、コレクションを提案している。自由を謳歌していた時代への懐古をテーマとしたブランドもある。

要チェックブランドは、べルギー出身デザイナーGlenn Martens( グレン・マーティンス)がクリエイティブ・ディレクターに就任して初のコレクションを披露した「DIESEL(ディーゼル)」。アーティストであり映画監督でもあるFrank Lebon (フランク・ルボン)とのコラボレーションにより制作されたショートムービーは4構成からなり、現実と夢の境界線が曖昧に描かれたアーティスティックな作品に仕上がっている。ヘリテージを再解釈してデザインされたブレザー、シャツ、デニムパンツにはレーザープリントが施され、レイヤーとシームのだまし絵のような効果を生み出している。セカンドスキンのようなジャージーには、デニムのウォッシュ加工やDIESELのアーカイブパッチを全面にプリント。また「DIESEL」のロゴがエンボス加工されたデニムシリーズには、マーティンスの作品に彫刻的な側面を加えている。

DIESEL

DOLCE&GABBANA