ファッション動画配信サービス「ファッションニュース・エクスプレスBB」
    2020-2021秋冬 ロンドンコレクション
"サスティナビリティ"がファッションの明るい未来を描き出す
EU離脱後、初のシーズンを迎えたロンドンコレクション。新型コロナの脅威が迫る中、2月14日〜18日の会期に合わせて60を超えるブランドがランウェイショーやプレゼンテーションを披露した。2020-2021秋冬は「MARGARET HOWELL(マーガレット・ハウエル)」がブランド設立50周年を称えたコレクションを展開したほか、「TOMMY HILFIGER(トミー・ヒルフィガー)」が英国人F1ドライバーのLewis Hamilton(ルイス・ハミルトン)とタッグを組んで「Tommy x Lewisコレクション」を発表するなど、見どころ満載のシーズンとなった。また、母国英国への敬意を込めて、正統派テーラードやタータンチェック、ユニオンジャックといった英国由来のスタイルを多数のデザイナーが提案。”ポジティブ・ファッション”のスローガンを通じて、ロンドンコレクションの明るい未来を発信した。

コレクション業界における”サスティナブル”への活動は進化の一途を遂げており、ロンドンでも様々なアプローチで環境問題への対策を講じている。例えば、「RICHARD MALONE(リチャード・マローン)」は天然素材・天然染料・再生繊維にこだわり、素材原料のトレーサビリティーを可能にしたことでウールマークプライズを受賞。「TOMMY HILFIGER」はアイテムの75%にサスティナブル素材を使用したコレクションを展開。また、「MULBERRY(マルベリー)」は自社バッグを引き取り再販売する”マルベリー・エクスチェンジ”をスタートさせた。ファッション業界が地球環境問題に真摯に取り組む姿勢は、他業種にも刺激を与えそうだ。

最も注目したいブランドはRiccardo Tisci(リカルド・ティッシ)が手がける「BURBERRY(バーバリー)」。”メモリーズ”をテーマに、出身地イタリア、学生時代を過ごしたロンドン、その後に移り住んだインドの3カ国の記憶をスタイルに落とし込んだ。バーバリーチェックやトレンチコート、テーラードスーツといった英国ブランドならではのアイテムをベースにしながら、ブランドアイコンのバーバリーチェックはキルティングジャケットやビスチェドレス、フィット感のあるハイネックシャツとパンツのセットアップに採用されている。アームにフェイクファーをあしらったトレンチコートはイタリア風、レオパードプリントのドレスやフーディはインドの香りを漂わせる。


JW ANDERSON

BURBERRY