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    2016-2017秋冬 東京コレクション
妖しさ満点。闇夜から発信されるトレンドとは?
2016-2017秋冬 東京コレクションが3月14日〜3月19日、渋谷ヒカリエをメイン会場に開催された。参加ブランドは53。「beautiful people(ビューティフル・ピープル)」「DRESSCAMP(ドレスキャンプ)」「FACETASM(ファセッタズム)」「YASUTOSHI EZUMI(ヤストシ・エズミ)」ら中堅ブランドが世界進出を見据えて発表の形態を展示会にシフトする一方で、ベトナムとインドネシアのデザイナーが合同ショーを披露するなど、国をまたいでの活発な動きが見られた。

欧州コレクションで提案されたタッキー(悪趣味)、毒気を帯びたグラマラスルック、デコラティブな装飾、ノージェンダーに端を発したオーバーサイズといったトレンドは東京トレンドとして継承されている。妖怪やミイラ、暗闇など、“妖しさ”をスタイルに置き換えたデザイナーが多く出現したのは、ウィットに飛んだスタイルを得意とする東京コレクションならでは。

山縣良和が手掛ける「writtenafterwards(リトゥンアフターワーズ)」は“妖怪”をテーマに、クチュール的なフォルムと奇天烈な世界観を一つのスタイルに落とし込んだ。これは山縣と同じ鳥取県出身の漫画家、水木しげる氏へのオマージュを込めて提案したもの。『ゲゲゲの鬼太郎』の登場人物である鬼太郎や猫娘、一つ目小僧といった妖怪を強い色彩と過剰オなフォルムでデザイン。フィナーレに登場したウェディングドレスには鳥取砂丘の砂が使われた。

一方、“夜へ”をテーマに掲げ、闇夜とファンタジーを融合させたスタイルを提案したのは「KEITA MARUYAMA(ケイタ・マルヤマ)」。漆黒〜深みのあるブルーまでのダークカラーで仕立てられたドレスは、フリルや毛足の長いファー、チュールを取り入れることで妖艶な大人の女性像を描き出している。ロマンティックな星柄に加えて、カラスや化け猫といったおどろおどろしいモチーフが使われている点にも注目。

北澤武志と佐藤絵美子の2人がデザイナーを務める「DRESSEDUNDRESSED(ドレスドアンドレスド)」。フロイトの“夢の精神世界”やデヴィッド・リンチ監督の映画『ツインピークス』から着想を得て、センシャルな雰囲気が漂うスタイルを提案した。ランジェリードレスにストラップ使いのニットを羽織った官能的なルック、オーバーサイズのジャケットやコートにニーハイブーツを合わせたノージェンダーなスタイルは、怪しい光を放ちながら現実と夢の世界を行き来する。

writtenafterwards

KEITA MARUYAMA