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    2015春夏 パリコレクション
1970年代のレトロシックなスタイルが台頭
 ミラノに引き続き、パリにおいても1970年代のレトロシックなスタイルが台頭している。ハイウエストのフレアパンツ、色鮮やかなフラワープリントに代表されるヒッピー、トライバルなレースや刺繍、フリンジなどのディテールで表現されるボヘミアン、カーキやサンドといったアースカラーで強い女性を演出したミリタリー…1970年代を髣髴とさせるキーワードが並ぶ。パリコレクションではさらにヴィンテージ感が増した。素材に洗いをかけて着込んだような風合いを出すことで、古着と同等のレトロな雰囲気を演出する。
 注目ブランドはジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)が手がける新生「LOEWE(ロエベ)」。イサム・ノグチが作庭したユネスコ庭園を舞台に、清涼感とリラックスムード漂うコレクションを展開。切りっぱなしをラム・スエードを重ねて流動感を持たせたロング&リーンドレス、なめしのきいたレザーをカラフルに染め柔道着の帯のようなベルトとともに仕立てたハイウエストパンツ、緩やかなシルエットを描くスエードのガウンコートなど、「LOEWE」代名詞であるレザーに息吹が注ぎ込まれた。シルク、コットン、リネンといった天然素材はイージー・シルエットのパンツやホルターネックニットに生まれ変わり、着心地の良さをアピールした。
 「DRIES VAN NOTEN(ドリス・ヴァン・ノッテン)」は1970年代スタイルに着目したブランドの筆頭。民族柄とサイケデリック柄、ルーズとタイト、マットと光沢…相反する2つの要素を組み合わせ、1970年代の躍動感を表現している。会場となったグラン・パレには緑色のカーペットが敷き詰められ、草原に見立てられたステージをモデルたちがゆっくりと歩きまわる。テーラードコートとストラップドレス、ブラトップが覗いたシースルーブラウスとイージーパンツなど、ひねりの利いたアイテムに多種多様な色、柄、素材を投入することで新鮮さを演出している。フリンジやストリング使いといった1970年代をディテールにも注目。






LOEWE(ロエベ) クリエイティブ・ディレクター:ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)
1984年、ドイツの皮革職人エンリケ・ロエベがマドリードに設立したブランド。1965年よりウィメンズコレクションをスタート。1996年LVMH傘下に入りナルシソ・ロドリゲス、ホセ・エンリケ・オナ・セルファ、スチュアート・ヴィヴァースがデザイナーを務める。2015秋冬、ジョナサン・アンダーソンがクリエイティブ・ディレクターに就任。同氏は1984年、北アイルランド生まれ。2008年より自身のブランドでロンドンコレクションに参加。

DRIES VAN NOTEN(ドリス・ヴァン・ノッテン) デザイナー:ドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)
「アントワープ6」の一人として知られる実力派デザイナー。1958年ベルギー・アントワープ生まれ。生地屋を営む家で育つ。1981年アントワープ王立芸術アカデミー卒業。1986年ロンドンコレクションデビュー。1989年アントワープに初の旗艦店「Het Modepalais」をオープン。1991年にメンズ、1993年にはレディス分野でパリコレクションに参入。2007年、パリにブティックをオープン。2015年、パリ服飾美術館で展示会を開催。

LOEWE

DRIES VAN NOTEN