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    2016-2017秋冬 ミラノメンズコレクション
“ミリタリー”旋風吹き荒れる
 1970年代スタイルへの傾倒はそのままに、強い男の象徴である“ミリタリー”、着る人によってコーディネートの幅が広がる“変幻自在のデザイン”ががトレンドとして台頭。今シーズンの1970年代回帰はエイジド加工をほどこしてダメージを与えたり、クローゼットに眠っていたアイテムを引っ張りだしてきたようなヴィンテージ感が強いのが特徴だ。また、“ミリタリー”は肩章やハーネス、金ボタンといったパーツを抜き出して、ロマンティックなアイテムに落とし込まれている。“変幻自在のデザイン”は着脱可能なパーツ、ボタンやカッティング技術により何通りものシルエットが再現可能となる。ミリタリーに限っては、パリメンズのほうが装飾や伝統的なディテールにこだわり、デザイナー毎により複雑な解釈が目立った。

 ミラノメンズでは“ミリタリー”に大きく傾倒した「JIL SANDER(ジル・サンダー)」、1970〜1980年代ヴィンテージスタイルを深く彫り下げた「GUCCI(グッチ)」が今シーズンのトレンドセッターに君臨。「JIL SANDER」は“ユニフォーム”をキーワードに、ハーネスやスタンドカラー、ショルダーパッチといったミリタリーのディテールを採用し、ストイックな雰囲気漂うミリタリールックを提案した。シルエットは肩幅を大きく、幅の広い袖でオーバーサイズを強調している。

 「GUCCI(グッチ)」は1970〜1980年代のレトロなデザインをミックス。とりわけ当時のアメリカン・ヴィンテージが今シーズンのスタイルに多大な影響を与えている。アメリカ空軍を髣髴とさせるレザージャケットや、Gジャン、クラッシュデニムなどの昔懐かしいアイテムを現代風にアレンジ。クローゼットから引っ張り出してきたようなガウンやコート、テディベア柄のスクールカーディガンといったヴィンテージ色の強いアイテムもレトロなスタイルを形成するのに一役買っている。

GUCCI

JIL SANDER