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    2021春夏 メンズコレクション
進むデジタル化、配信スタイルが様変わり
オートクチュールに続いて、オンラインでの開催に踏み切った2021春夏メンズファッションウィーク。 新型コロナウィルスがヨーロッパ全土で猛威を振るう中、7月9日〜13日に開催されたパリメンズでは67ブランド(うち日本勢11ブランド)、7月14〜17日に開催されたミラノメンズでは42ブランド(うち日本勢2ブランド)がデジタルプラットフォームを通じてコレクションを披露した。これまでのランウェイショー形式とは異なり、デザイナー・インタビューやアーティストとのコラボレーションやアニメの投入、ルックブックのムービー化などアイデアを駆使し、ブランドそれぞれが持つ世界観をプレゼンテーション・ムービーに落とし込んだ。

コレクションのデジタル化から見えてくるのは、ブランドのアイデンティティを追求した原点回帰の姿勢。フォーマルルックへの流れを継承しながら、ブランドの根幹にあるオーセンティックなスタイルや、ブランドのアーカイブから紐解いたスタイルがあふれている。また、数シーズンにわたってデザイナーたちが探求しているサスティナビリティが空や海、森といった自然のモチーフとなって登場。ファッションビジネスを展開する上で、欠かせない要素となっている。

三原康裕が手がける「MAISON MIHARA YASUHIRO(メゾン・ミハラヤスヒロ)」はストリートスタイルを解体し、再構築することで生まれる不均衡に着目。ジャーナリストやカメラマン、バイヤーといったランウェイショーの観客をパペットに見立て、リアルなモデルとパペットが奏でるポエティックなコレクションを展開した。”MORE OR LESS(多かれ少なかれ)”をテーマに、デニムジャケットやジップアップブルゾン、ハーフパンツにクロップドパンツといったベーシックアイテムに歪みやほつれ、布の重なりを与え、前後左右を不均衡にデザイン。袖を何枚も重ねたクルーネックニットや、互い違いにパッチワークしたハーフパンツ、左右の色味が異なるデニムパンツなど、意表をついたデザインが秀逸だ。

MAISON MIHARA YASUHIRO

MAISON MIHARA YASUHIRO